白蛇キャラクター 財団法人 岩国白蛇保存会  
       
TOP 施設案内 資料館 写真館 白蛇教室 販売商品 リンク お問い合せ
               
小・中学生のための白蛇教室
 
  天然記念物とは?  
 動物、植物、地質、鉱物あるいは、天然保護区域などで、学術上非常に価値の高いものとして、国または地方自治体(県・市など)が指定したもので、私たちがふだん天然記念物というときには国が指定したものをいいます。動物の場合は生息地・繁殖地・渡来地を、植物の場合は自生地を、鉱物の場合は特異な自然現象を生じている土地を含めて指定されています。これらの中には、長い歴史を通じて文化的な活動により作り出された、二次元的な自然も含まれています。また、これらの中で特に重要なものは特別天然記念物に指定されています。国の天然記念物に指定されたものは、指定後は荒らされたり、傷つけられたりすることがないように、文化庁長官の許可がなければ、採取したり、飼育したり、伐採したりできないように法律で定められています。また、地方自治体によって指定されたものは、条例(国が定める法律と同じようなもの)によって規制され、天然記念物を守ることが定められています。
  シロヘビ発見の歴史  
 岩国のシロヘビは、今から270年前の元文3年(1738年)に錦帯橋のある横山千石原の城門付近で、お城の門番によって発見されたという記録(岩邑年代記)があります。このヘビは捕まえてあぶって乾燥させ、殿様の薬にされたそうです。でも、実際に殿様が飲んだかどうかは分かりません。それから約120年後の文久2年(1862年)には、錦川を下った今津川・寿橋一帯にあった藩の米蔵に2頭のシロヘビが住み着いており、よく見かけるとの記録が錦川志に残されています。その後、シロヘビはこの今津地区で繁殖し、明治30年(1897年)頃には、今津・川下・麻里布・室の木地区など、合わせて400haの地域に住んでいるといわれ、大正時代の終わりごろ(1925年)にはこの地域に千頭くらいが住んでいるといわれていました。
  今津地区を中心に繁殖したわけ  
 アオダイショウやシロヘビの好物はネズミです。今津川寿橋付近には、江戸時代には岩国藩や毛利藩の米蔵が立ち並び、保管されている米をねらってネズミが繁殖。それをエサにシロヘビが増えて行きました。横山と今津のシロヘビの関係は時間的にも、地理的にもかなりへだたっており、今津にすんでいたアオダイショウに突然変異が発生し、シロヘビが誕生したと考えらえています。周囲にはエサとなるネズミがたくさんいたこと、また米蔵(土壁が厚く温度や湿度の変化が少ない)や水路、石垣などがたくさんあり、シロヘビにとって非常にすみやすかったため、何代にもわたって今日まで生きてきました。また、シロヘビは水や稲の実り、健康や商売繁盛、お金の神様として、昔から人々に大切に守られ、シロヘビを見ると縁起がよい(ラッキー)とされてきたことも、この岩国にずっとすみ続けることができている原因となっています。
  減少しはじめたシロヘビ  
 昭和30年(1955年)ごろまでは、今津川寿橋周辺や対岸の川下地区でもよく見られたシロヘビですが、町の発展・整備とともに、米蔵や水路、石垣などが次第になくなって行ったこと、また終戦後の昭和20年(1945年9月以降)は、ネズミが人間に病気をうつす原因として薬をまいて殺され(当然エサとなるネズミが少なくなった)、シロヘビもだんだんとその姿を見せなくなり始めていきました。そこで、シロヘビの住んでいる地元の人たち(今津地区)が協力し、これを保護していこうとシロヘビ保存会を作りました。そして、岩国市と協力して現在まで約50年間、シロヘビの保護と繁殖を続けています。
 
 
これを知れば、君もシロヘビ博士!
 
 平成19年6月現在、市内5カ所の飼育場と2カ所の観覧施設で合計884頭(毎年を平均すると900〜1000頭)います。※町並みが発展した現在では、自然の状態で見られるシロヘビはめったに見つかりません。
※シロヘビは学術上1頭・2頭と数えます。
  シロヘビとアオダイショウのちがい  
 体の色・目の色の違いだけでなく、アオダイショウと比べて性質も大変おとなしく、つかまえてもめったにかみつくことはありません。また、シロヘビは人間のしもんと同じように、頭のウロコの模様が1頭ずつちがい、区別することができます。
※アオダイショウもシロヘビも毒ヘビではありません。
  シロヘビの目はなぜ赤い?  
 シロヘビは肌の色を決める色素(メラニン)が少ない、またほとんどないため、目の血管に流れている血液が透けて見えます。だから、目が赤く見えるのです。また、生まれたばかりの小ヘビは、肌もうすく、血液が透けて見える場所も多いため、体全体が赤みがかって見えます。したがって、シロヘビは白い色素を持っているのではなく、色素がない(色がない)から、白く見えるということになります。
※写真は体全体が赤いシロヘビの子ども。
  シロヘビは何年生きる?  
 シロヘビは。普通は15〜16年くらい生きます。これまでで一番長生きなものは25年間生きている「モー」というシロヘビが今(平成20年3月現在)も白蛇保存会にいます。
  3年で大人!?  
 シロヘビはおよそ3年で大人(20歳くらい)になります。その時の体の長さは約1m10cm前後です。その後は1年間で、約4歳ずつくらい年を取っていくと考えられています。
  脱皮について  
 ヘビは体の成長に合わせて、脱皮をしていきます。シロヘビも同じで、生まれたばかりの小ヘビは最初の脱皮を2週間目位に行います。その後は、成長の速さ(栄養の状態)により脱皮を繰り返し、脱皮の回数が多いものは1年に3〜4回くらい繰り返します。
※脱皮前は目が白くにごります。
  オスとメスの見分けかた  
 シロヘビはシッポ(尾)の部分にある生殖器(チンチン)の部分が急に細くなっているのがメスで、オスはこの部分少しふくれて(チンチンが体の中に入っているため)います。
※右写真を見比べてください。ちがいが分かりますか?
※上がメス・下がオス
  なぜ冬眠するの?  
 ヘビやトカゲは、私たちほ乳類や鳥類のように自分で一定の体温を作り出すことが出来ず、周囲の気温により体温が変化していきます。シロヘビも同じです。特に秋の終わりから冬にかけては、気温が下がるにつれて体が動きにくくなり、土中や石垣の中で(暖かくなり周囲の温度に合わせて体温が上昇するまで)冬眠をします。冬眠中はエサは食べません。
  シロヘビの快適な環境は?  
 シロヘビにとって一番快適な環境は、温度が25℃前後、湿度70%前後です。18℃以下では食欲がなくなり、15℃以下では動けなくなります。冬は気温が5℃以下にならないような所を探して冬眠します。
  エサの種類と回数  
 飼育施設で飼っているシロヘビは、冬眠からさめる毎年4月初めから冬眠を始める少し前の9月終わりごろまで、ハツカネズミをやります。エサを食べる期間中は、毎週1回(1回に数匹)与えれば十分に生きて行けます。また、カエルやトカゲ、小鳥などを食べることもあります。
  子ヘビの誕生  
 シロヘビは暖かくなった5月から6月にかけて交尾し、7月の中頃から8月の始めにかけて産卵します。卵の数は、母ヘビの大きさによってもちがいますが、一般的には10個前後です。多いものは1度に20個くらい生みます。卵は40日から60日くらいでふ化します。シロヘビは、卵の期間中も鳥のようにふ化するまで親がだいていることはありません。また、生まれてからもほ乳類や鳥のように、親がそばについてエサを与えてくれることもありません。(子ヘビはしばらくはエサを食べなくても十分生きていけます)。生まれたばかりのシロヘビは、全体が赤いしまもようがたくさんあります。大きさは大体40cm、重さは20g位です。
  シロヘビの病気  
 シロヘビの病気は主に内蔵への寄生虫と、地面をはうために皮ふ病にかかることがあります。白蛇保存会では岩国市と共に、市内のシロヘビ飼育施設をまわって、病気と思われるヘビは今津の屋内飼育施設に連れて帰り、じゅう医さん(動物のお医者さん)が、薬を飲ませたりして病気をなおし、元気になったらまたもとの飼育場へもどします。
  チョロチョロと舌を出すのはなぜ?  
 ヘビは上あごのヤコブソン器官というくぼみで周囲のにおいを感じとります。しかし、ヤコブソン器官は外気にふれていないのでそのままでは活動しません。そこで、ヘビは舌を出し入れして空気中のにおいの粒子を集め、粒子をヤコブソン器官に運びます。
  目を開けて眠るヘビ  
 ヘビの目は透明なウロコでおおわれており、開閉できるまぶたがありません。したがってヘビは目を開けたままで眠ります。また、目が透明なウロコでおおわれていることは、脱皮をする前に目が白くにごり、コンタクトレズのように、目の部分も皮でおおわれていることが分かります。
  シロヘビ、アオダイショウは木登りが得意  
 どのヘビもある程度は木に登れますが、シロヘビ(アオダイショウ)は特に上手です。それは、お腹の部分が平で木の表面に大変とりつきやすく、角ばっているわき腹(クライミングキール)が木の皮にひっかかりやすい体をしているからです。
 
 

このホームページに掲載のイラスト・写真・商標の無断転載を禁じます。